約1年半前、ナビスコ「リッツ」販売終了と入れ替わりで登場した新ブランド「ルヴァン」の派生商品として、ヤマザキビスケットから『ルヴァンプライムスナック』が新発売。これこそ旧リッツの正統後継者といえそうだが、その登場に1年半を要した背景には、2社間の取り決めがあったという。
1年3ヶ月は、類似製品の製造販売を制限する取り決めが二社間であったという事実
ヤマザキビスケット広報に確認したところ、「リッツ」ブランドを保有するモンデリーズ社と類似製品の製造販売を制限する期間を取り決めていたという。その期限が2017年11月30日。そして制限が解けた12月1日から、どこから見てもリッツそっくりな『ルヴァンプライムスナック』の販売に至ったというわけだ。
ご存知ない方のために、過去の経緯をおさらいしておこう。「ヤマザキナビスコ」のライセンス契約終了により、2016年9月から「リッツ」はヤマザキナビスコではなくモンデリーズ・ジャパンの製造販売する商品となった。「リッツの新旧比較」の記事でもご紹介したように、リッツは日本製ではなくインドネシア製に。記者の主観だが、新リッツはより軽い食感で、ちょっとだけ淡泊になっているように思う。
社名も変更したヤマザキビスケット(旧ヤマザキナビスコ)の「ルヴァン」(13枚×3袋・希望小売価格 税抜160円)は、それまでリッツを生産していた国内工場で作られたものであり、これこそ旧リッツの後継だという声が多々上がっていた。その後もリッツ×ルヴァン論争は一部ネット上で白熱を続けていたが、そんな中「ルヴァン」にさらなる新商品が登場したというわけだ。『ルヴァンプライムスナック』(13枚×3袋・希望小売価格 税抜160円・2017年12月1日発売)のパッケージは、ルヴァンの青から赤に、クラッカーの形は八角形から真ん丸に…「これぞまさにリッツだよね」な新商品なのだ!
いわば「ルヴァン」は1年3ヵ月間の“つなぎ”だったわけだが、今回の『ルヴァンプライムスナック』発売後も販売終了することなく併売されるという。その意図についてはいずれヤマザキビスケット社を取材するとして、味はどこまで旧リッツに近いのか、早速たしかめてみよう。
『ルヴァンプライムスナック』はどこまでもリッツ? その味わいを確かめてみた!
青いパッケージの「ルヴァン」と赤いパッケージの『ルヴァンプライムスナック』。両者はどちらもボックス入りで、中身は13枚×3パック入り。
青い「ルヴァン」の原材料。記載されているのは小麦粉、加工油脂、砂糖、ぶどう糖果糖液糖、食塩、モルトエキス、ライ麦粉、発酵種、膨張剤。
一方、赤い新作『ルヴァンプライムスナック』の原材料。「ルヴァン」から「ライ麦粉」がなくなっただけ、になっている。各原料の分量には違いがあるのだろうが、ほとんど違いがなさそうだ。
見た目は「ルヴァン」の八角形に対し、『ルヴァンプライムスナック』はリッツと同じ真ん丸。見慣れた丸い形の薄焼きクラッカー、表面には小さな食塩の粒。見れば見るほどリッツだった。
まず青い「ルヴァン」を一口食べると、ほのかに塩のあまじょっぱさを感じ、サクサク軽いクラッカー。かつてのナビスコリッツとほぼ同じ味わいに感じる。
そして新発売の『ルヴァンプライムスナック』を食べてみると…見た目は完全にリッツで、味わいは…「ルヴァン」!?
こうして食べ比べてみると、違うのは見た目だけで「ルヴァン」と『ルヴァンプライムスナック』はほぼ同じ味だと記者は感じたのだ。ライ麦粉が使用されていないという違いはあり、言われてみれば香りがわずかに違うような気がするものの、味は「ルヴァン」と同じだと思った。サクサクの軽い食感、油っぽくなくスッキリした味わい。どちらも、日本製の良さを存分に感じられるクラッカーだ。
国産『ルヴァンプライムスナック』は見た目も味も、旧リッツだった! その懐かしい美味しさに涙が…
モンデリーズ・ジャパンの現「リッツ」と比べると、『ルヴァンプライムスナック』の方が噛めば噛むほどクラッカーの味わいが出てくる気がする。そして何といっても、こどもの頃から慣れ親しんだ旧リッツに限りなく近い味わいだった。同じ工場で製造しているのだから当然とも言えるが、ついつい懐かしいんで、いっぱい食べてしまうほど。これは間違いない。国内生産の安心感もある。
「ルヴァン」も『ルヴァンプライムスナック』も味に大差ないのは上述のとおり。八角形と丸型で、交互にお皿に並べるとパーティー感が増し、盛り付けの幅が広がるのでは。
「ルヴァン」『ルヴァンプライムスナック』はスーパーやコンビニエンスストア、量販店で全国発売中。どちらもSサイズ(39枚入り)で税抜160円(税込172円)。