長引く構造的な不況で、気軽に外でお酒を飲むのが難しくなっている日本社会。「酒は飲みたし金はなし」といった状況では、コンビニやスーパーなどで酒を買って、自宅でちびちびと飲むぐらいしか手段はない。しかしビール好きな記者などは、買えるぶんだけのビールでは満足いかないのが実情。そんなビール好きの救世主が高アルコール新ジャンルだ。昨夏にアルコール度数7%で衝撃的なデビューを飾ったサントリー『頂』が、このほどアルコール度数8%にリニューアルすると聞き、さっそく入手して飲んでみることにした。
ガツンと来るアルコールにクーッ・プハーッと満足!
このほどリニューアルされるサントリーの『頂』(350ml/500ml・実勢小売価格 税抜140円前後/200円前後・2018年2月6日発売)は、力強いコク・飲みごたえでありながら、飲みやすいと評判の高アルコール新ジャンル。2017年末までで8,000万本を達成(350ml缶換算)したヒット商品だ。
実は昨夏の天候不順(冷夏&長雨)で、ビールや新ジャンルの市場も冷え込み、おまけに取引基準の施行も重なって、各社キビシイ環境の中、この「頂」は売り上げを大きく伸ばした。その理由は、やはり不況に伴って消費者の「安い出費で手早くしっかり酔いたい」という、その1点だと推察される。
しかし人間というのは欲望が尽きないものである。
ビールテイスト飲料の高アルコール度数7%でも満足できないのか、メーカーには「味わいそのままに、より高アルコール度数の新ジャンルを」というリクエストが相次いだそうだ。そんなユーザーの声に応える形で、アルコール度数を8%にして飲みごたえをアップさせ、さらに使用する麦芽量を増やして麦芽由来の力強いコクをさらに強化したという。
リニューアルの特徴は「高麦芽量」「高発酵」「高炭酸」の“3高”。まさに「頂」という名の高みを目指すにふさわしい改善なのだ。
そして、このへんがサントリーの商品戦略が上手だなあと思うところなのだが、2018年1月にライバルのキリンが新ジャンル「のどごし」に7%の高アルコール度数の新製品「のどごし STRONG」を発売したばかりのタイミングで、この商品をぶつけてきたということ。まるで「高アルコール新ジャンルのトップは譲らないぞ」と言わんばかりの発表なのだ。
まあ、能書きはここまでにして、さっそくリニューアルしたアルコール度数8%の「頂」を“頂”いてみようじゃないか(笑)。
それでは、さっそく新「頂」をコックゥ~~ん!
思わず声が漏れるほど、ひと口目からガツンとアルコールが襲い掛かってくる。分かりやすく言うと、強いお酒を飲んでいる感覚なのだ。
ただ、正直なところアルコール度数がアップして、ビールに近づいたかというと、そういうわけではなく、スピリッツが増量されたのか、まるで濃いウィスキーのソーダ割りを飲んでいるような感覚なのだ。ただ、アルコール度数が8%にアップしたのは効果が高く、一気飲みではなく普通に飲むぶんには、かなり早く酔いを感じることができそうだ。
コスパを考えればトータルで酒量が減るから良いのかも
リニューアル前の「頂」は、ビールテイスト飲料らしくビールっぽさを残しつつ、ガツッとアルコールの来る感じのバランスが秀逸で、意外とスッキリ飲みやすい新ジャンルという印象だった。もちろん、今回のリニューアルでも味の傾向は一緒ではあるが、「たかが1%、されど1%」。記者にはアルコールの強さが先に来るような印象を受けた。
ただ、もちろんアルコール度数が高い=早く酔っ払うことができるので、新ジャンルの価格も考慮すればコスパは高い。手っ取り早くお金をかけずにお酒に酔いたい人にはオススメだ。