しっかりとした味わいと吸い心地。そんなストレートなタバコを味わいたいとき候補となるのが白地に赤い円付きロゴが印象的なパッケージの「ラッキー・ストライク」。今度のニューフェイスは青くなった。葉を微細カットすることで生み出されたのは『ラッキー・ストライク・エキスパートカット・14』の想像以上のなめらかさだった。
シルクタッチの煙に包まれてバージニア葉の旨味をじっくり味わうことができる進化版
「ラッキー・ストライク(Lucky Strike)」は、最近加熱式タバコ「グロー」で注目を浴びているブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)社の看板ブランド。その誕生は古く、19世紀の米国がゴールドラッシュに沸いていた1916年。まさに金鉱を掘り当てたことを表すスラングが、そのまま製品名となった。当時はもちろんフィルター無しの両切りタバコ。
パッケージデザインは白地に赤い丸に名前が入るという王道中の王道デザインで、ブルズアイと呼ばれるもの。ハードボイルドな光景にもよく似合うデザインから、映画やドラマに登場することも珍しくなかった(嫌煙ムードが高まる前までは)。音楽界だとロックンロール系のミュージシャンが吸っていることが多い。日本の敗戦直後を描くときに、アメリカ兵が持っているのはたいていこの「ラッキー・ストライク」だ。
その特徴は、ガツンとした吸いごたえと飾らない土臭さのようなアロマ。煙の匂いが逆に魅力的なタバコらしいタバコ。マールボロがより西部寄りで正義の味方が似合うのに比べて、似たところがありながらもやんちゃで、不良性を感じさせるプロフィールを持っている。
今回紹介するブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン『ラッキー・ストライク・エキスパートカット・14』(タール14mg/ニコチン1.2mg・20本入・希望小売価格 税込400円・2017年11月発売)は、何と2007年以来10年ぶりとなる新製品。まさに良い意味で保守的に愛され続けていることがよくわかる。
記者も昔、ソフトパックのノーマル「ラッキー・ストライク」を吸っていたことがあるが、やはりその第一の理由は面構えが良かったから。タバコというのは本来雰囲気含めて味わうもの。パッケージにこだわるのは至極当然のことだ。
では今回10年ぶりに何が変わったのだろうか。それはカット数の細かさだ。変わらぬバージニアブレンドの葉を使用していながら、通常の「ラッキー・ストライク」が1インチ25カットのところ『エキスパートカット』は46カットとほぼ2倍の細かさで刻んでいる。
実際に吸ってみよう。「ラッキー・ストライク」を知っている人がまず驚くのがそのパッケージ。白地に赤というのが鉄則と思われていたラッキーが、今回は青い。ただどちらかというとブラックに近い濃紺であり、写真で見るよりも実物はシックに感じられることだろう。ボックスタイプで高級感がある。
箱を開けると「ラッキー・ストライク」でありつつ、すぐに洗練された香りを感じたが……これは記者の気のせいだったかもしれない。葉のカットの違いだけで、どこまで変わったのか。はやく吸いたい気持ちが高まる。そして一本取り出す。ウッディーな中にどこか甘みを感じるバージニアタバコならではのアロマ。
火をつけると煙がブワッと広がる。現代社会にはあまりそぐわないのかもしれないが、これぞタバコという感覚だ。そして口にためたところで、はっきりと違いを感じる。何だか煙がなめらかなのだ。そのまま肺に流し込むと、気管を通る煙もシルクのような感触。これは、うまい。
匂いもまた洗練されていることを、ここで確信する。燻るような苦味は端の方に少し感じるが、基本的にはなめらかな甘みのあるバージニア味を立てているのが好印象。これはすごい。
確かに古き良き時代を感じさせるパッケージが変わっていることに不満を感じる人も多いだろう。スモーカーたちは基本的に保守的だから。愛すべきブランドがいきなり色を変えてきたら動揺する。しかし実際に吸ってみると昔ながらの「ラッキー・ストライク」の良さを洗練させた、まさに現代的な味わいがあることに気づくだろう。
しかもこのクオリティーで400円という抑えた価格設定も見事。濃紺に衣装を変えて洗練された佇まいを見せる『ラッキー・ストライク・エキスパートカット・14』。野性味は消えてしまったのではない。濃紺の皮のその内側には、やはりラッキーならではの荒ぶる男たちの魂を感じ取ることができる。
ラインナップはこのタール値14mgのほか、10mg、6mgがある。軽くなるにしたがって、パッケージの色は青さを増していく。2017年8月7日より全国発売中。