イカ墨パスタはイタリアンでは定番料理。ただそれが美味しいかどうかはシェフの腕に負うところが多い。迂闊な店で食べると何とも生臭く見た目もグロいので完敗できる。さて、『カップヌードル イカ墨ブラックシーフード ビッグ』はどうなのだろうか。
定番シーフードヌードルが悪意あるイカによって”スプラトゥーン”状態にされたかのような…
醤油も黒ではあるが、イカ墨の黒はもっと深い黒。濃縮した墨汁のような漆黒のブラック。本来は食欲を呼び覚ますというより眠らせるカラーリングだ。しかしイタリア料理店で供されることも多く、美味しいイカ墨パスタは感激できるレベルではある。
日清食品の『カップヌードル イカ墨ブラックシーフード ビッグ』(97gうち麺80g・希望小売価格 税抜205円・2017年7月31日発売)はそうしたイカ墨を取り入れたブラックな一杯。コンビニの棚に並んでいても、手を出すには少々勇気がいる。
準備としては汚れて困る書類等は片付け、はねて困る白いシャツは着ないこと。あとはそのすぐ後に人に会う場合は気をつけないとお歯黒の人だと思われる可能性があるということ。
それでは実際に食べてみよう。
よりによってビッグサイズ。引き返せない感が半端ない。フタをめくるといつものつるみのあるカップヌードル特有の細い麺がぎっちり。ふんわり漂う海鮮の良い香り。おなじみの「シーフードヌードル」状態だ、ここまでは。
しかしフタの上には特製イカ墨ペーストが添付されている。これが問題。スープはポークと魚介の合わせダシ。かやくはイカ、キャベツ、たまご、カニ風味かまぼこ、ネギ。湯入れ3分で仕上げに入れるイカ墨ペースト。
これがかなりのインパクト。せっかくの美味しいシーフードヌードルに墨汁を入れて台無しにしているような罪悪感をどうしても感じてしまう。どんどん見た目がグロテスクに変化していく…。
ところが香りは生臭さなどなく、気持ち濃いめの風味になったかな、程度。もちろん本題は味。さあ、黒さに縁取られた麺を食べてみよう。あ、普通に美味しい。スープも確認。こちらも同様。見た目のインパクトからすると拍子抜けするくらいシーフードヌードルの美味しさを踏襲している。
ただ若干のコクは感じる。ややこしい味が遠くにする。でも生臭くもないし、クセも強くない。シーフードヌードル・ファンなら普通に美味しく食べられるだろう。
ただ後始末は面倒。残ったスープをシンクに流すと黒くなるし、鏡を見れば結構歯が黒ずんで見える。口をすすげば気にならない程度にはなるが、あまり気分の良いものではない。
結論としては、わざわざ積極的に食べていこうというレベルには感じられなかった。しかしこれ、全国発売な上、どこにも期間限定とは書いていない。この真っ黒ヌードルをレギュラー化しようというのか、日清食品。なんというチャレンジャー。気になる人は是非一度、話の種にもなるので挑戦してみよう。