甘酒というと初詣タイミングだったりの冬のイメージがあるが、最近はコンビニやスーパーの棚で夏でも冷やして飲む用にずらり。微量の塩分を含み、アミノ酸豊富で水分補給できるところから熱中症対策としても注目を浴びているのが麹(こうじ)甘酒だ。その新商品『プラス糀(こうじ) 米糀の甘酒ゼリー/りんご』はゼリータイプでハンディが特徴。
持ちやすくこぼれにくいから歩きながらでも軽快に楽しめるゼリータイプの麹甘酒!
麹か糀かはっきりしてもらいたいと思うかもしれないが、麹菌自体は米以外にも、麦、大豆で醸すこともできる。なので米で作ったもの限定と言われているのが糀。しかし米麹と表記すると米でできた麹なので糀とイコール。糀は明治時代にできた漢字だという。米糀(こめこうじ)と書くのは正直頭痛が痛い状態な気もするが…。
麹菌といえば麹味噌(こうじみそ)もお馴染み。普通の味噌よりもクセがあるが、そこが美味しいというもの。甘酒もまた味噌を手がけるメーカーが出すことが多い。なのでマルコメが麹菌を使った甘酒を出すのはごく普通。しかしゼリー状にした『プラス糀 米糀の甘酒ゼリー/りんご』(160g・実勢価格 税込約200円・発売中)となると少々話が違う。
酒粕甘酒と麹甘酒は全くの別物。本来の麹(糀)を使った甘酒は砂糖不使用でふんわり甘い。それをゼリーにすると、不思議な味わい! 常温で飲まないのが身のためか
甘酒は、酒粕を使ったものと麹を使ったものの2種類ある。日本酒の素となるもろみを圧搾した後の搾りかすが酒粕。酒製造の工程で生まれるものなので、アルコールが若干含まれるのが特徴。アミノ酸が入っているのが特徴だが、そのままだと甘みがないので、後から砂糖を加える(生姜も)のが通常の飲み方。
もう一方の麹を使った麹甘酒は、発酵食品。酒と言いながら、米麹と米を発酵させて作るものなので、アルコールが一切含まれないのが特徴。さらに発酵したでんぷんにより、砂糖を使わなくても甘くなる。適度な塩分が入っていることから水分吸収がしやすいので、熱中症対策としても注目され始めたのが、最近夏でも甘酒を冷やして売っている理由だ。
冬のイメージで定着している甘酒だが、江戸時代は冷やして飲む夏の風物詩。何しろ俳句の夏の季語に選定されているほど、夏ドリンクなのである。主に夏バテ予防のための一杯として愛されてきたんだとか。現代でも”飲む点滴”の別称もあるくらい必須アミノ酸もビタミンも入っているから当然か。
それを片手で飲めるハンディタイプにしたのが『プラス糀 米糀の甘酒ゼリー/りんご』。標準の味と、りんごをプラスしたものの2種類。それでは味わってみよう。
『プラス糀 米糀の甘酒ゼリー』
昔初めて麹甘酒を飲んだ時は、酒粕甘酒に慣れていたので、非常に違和感を感じた。しかし初詣タイミングで神田明神の麹甘酒にハマり、たまたま夏に同じ場所に行った時に参道途中に「三河屋綾部商店」冷やし甘酒なるものがあり(入口の天野屋よりも記者はこちらが好み)、どハマりして以来、夏の冷やし甘酒は大好物である。
ところがそれがゼリーとなると…。寒天などのゲル化剤を使ってゼリー化しているのはいいが、元々ある麹甘酒特有のおかゆ感と合体すると何とも微妙な食感に。くれぐれもきっちり冷やしてからの飲用をおすすめする。
『プラス糀 米糀の甘酒ゼリー りんご』
上記の味わいにりんご風味をプラスしたタイプ。何とはなしに”離乳食?”というイメージが浮かぶ。思い切り冷やすとすりおろしリンゴと無理やり思えなくもないが。
ただ、持って歩ける熱中症対策飲料としてはおすすめ。あまり持ち歩きすぎてあったまると不味くなるので、凍らせて持ち歩くくらいがちょうどいいかも。どちらも酸味料由来の酸っぱさを感じるところが甘酒感を低くするのが惜しい。
でも汗だくの炎天下で熱中症の危険が差し迫っていたら、コンビニでこれを手に取るかもしれない。そう、美味しいというより、効きそうな味わいなのである。