深煎り&超深煎り仕立ての丸福珈琲店監修『ワンダ 極 冷珈琲(レイコーヒー)』は意外にすっきりな加糖タイプ!

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太陽が攻撃的になって、アイスコーヒーの季節が到来。各社からいろいろな味わいのアイスコーヒーが登場しているが、ワンダの一手は創業80年の老舗「丸福珈琲店」監修で生み出した加糖ブラック『ワンダ 極 冷珈琲(レイコーヒー)』。昭和の味わいで勝負をかけると思いきや!?

甘いけれどブラック。「丸福珈琲店」監修なので濃いめの味と思いきや、意外なほどすっきり。近年の流行に迎合したのか!?

コーヒーをブラックで、というと何も入れないものだと思いがちだが、コーヒーの色を損なわないので、ミルクを入れない限りはブラックと呼ぶのは嘘ではない。正確を期するならこのアサヒ飲料『ワンダ 極 冷珈琲(レイコーヒー)』(280g・希望小売価格 税抜130円・2017年5月9日発売)のように”加糖ブラック“と呼ぶこともある。


そもそもアイスコーヒーは戦前の時代から加糖されているのが基本。戦後別添えでガムシロップを出される習慣が生まれたが、それでも昭和の時代の喫茶店は、放っておくと甘くして提供されるのが定番だった。そのため、完全なるブラックでアイスコーヒーを飲みたい場合は”ガム抜きで”と伝えなければならなかった。


ところが後入れガムシロップ方式だとコーヒーの味が薄まってしまう。従って抽出時に砂糖を混ぜて作り、その後冷やすというこだわりもあって、その場合はガム抜きを頼んでも「うちのアイスコーヒーは甘いの入っちゃってるんだよ」と断られることになる。最近ではもうそうした店はほとんどないが、たまにはある。


老舗の「丸福珈琲店」もまた、実店舗ではアイスコーヒーを注文すると加糖か無糖かを聞いてくるタイプのお店。そして『ワンダ 極 冷珈琲(レイコーヒー)』は、加糖タイプのブラックだ。ただしっかり甘いというよりは、飲みやすさのためにほんのりと甘くした程度に収められている。

使用している豆は缶コーヒーによく使われるブラジル産を中心としたブレンド。焙煎は深煎りと超深煎りを掛け合わせるというこだわりよう。甘みは甘味料ではなく、砂糖を使用している。

 

それでは実際に飲んでみよう。最近流行りのちびちび・ダラダラ飲みのためにリキャップ可能なキャップをひねると、爽やかな夏のイメージの香りが顔を出す。そしてぐいっと一口。おや? すっきりタイプではないか。


「丸福珈琲店」と言えば濃いめの味わいが特徴なので、予測していたのとかなり方向が違う。それなりの苦味はあるが強くない。それよりも酸味とともに演出されている爽やかさが際立つ。そしてほんのりとした砂糖の甘み。人工甘味料ではないので、後味は砂糖。

 

“深煎りの極み”とボトルの上部に書かれているが、濃いめの苦味を求めるとがっかりするだろう。これはすでにアイスコーヒー用に飲みやすく薄められたタイプのコーヒーだ。ただ最近流行の薄くて酸味が前面に出るタイプのスペシャルティ・コーヒーの流れに合わせたのかもしれない。


うーん、「丸福珈琲店」には、老舗の意地でもっと濃くて苦くてそれでいてシャープな酸味という個性を守りきって欲しかった。若者に迎合した感をどうにも感じてしまって、残念。甘さは確かに控えめだけれど、無糖ブラックが珍しくないこの時代にわざわざ加糖するのは昭和テイスト。どっちつかずの感が否めない。これは迷走ではないのか?

 

 

入手はコンビニや自販機などで可能。

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