大きな声で悪口やネガティブな言葉を叫ぶと身体能力が向上することが、大学の研究結果により判明した。
つまり『ドラゴンボール』のフリーザの「ぜったいにゆるさんぞ虫ケラども!!!!!」や、『ジョジョの奇妙な冒険』のDIOの「無駄無駄無駄無駄」といった発言は、激しい運動(バトル)に際し、実に理にかなっているのだ。
イギリス・キール大学のリチャード・ステファンズ博士が、今月5日、英国心理学協会の年次会議においてこの研究について発表を行った。
第一の実験では、平均年齢21歳の29人の被験者らに、悪口や乱暴な言葉をはかせてサイクリングテストを実施。それとは別に、ふつうの言葉を言わせても行った。(前者は、いうなれば自転車漫画『弱虫ペダル』で、京伏の御堂筋が「キモッキモッキモッ!」と相手を罵りながら自転車に乗るようなもの)。
その結果、なんと前者は後者に比べて1.5倍近いパフォーマンスを見せたのだ。
また第二の実験では握力テストを行い、平均年齢19歳の52人の参加者らに、先ほどと同じように悪口雑言を言わせてと、中立的な言葉を言わせての2通りで行った。その結果、前者の握力は2.1kgも高い数値を記録したのだ。
ステファンズ博士は09年にも同様の研究を発表しており、この時は悪口や乱暴な言葉を発した方が、そうでない時よりも、氷水に手を浸したときの痛みに耐えやすいというものだった。
なぜ、そういった言葉を発すると“パワーアップ”するのか、その理由はまだ未解明だ。交感神経が活発になるためではないかという予測もあったが、先の実験で、被験者らの心拍数に変化はなく、それは考えにくいという。
映画の中で外国人が「フ◯◯ク!」と言いながらケンカをしたり、漫画の中で悪役が口汚い言葉を発しながら戦うのには、ちゃんと意味があったわけだ。皆さんもスポーツで負けられない一番には、そんな言葉を口にしてみるといいのかも。ただし、言い過ぎ注意!
文/関本尚子