寂しさを多く感じる人ほど、風邪を引いた際に症状が悪化することが、大学の研究により判明した。
アメリカのヒューストン大学とライス大学による共同研究チームは、風邪の症状が出ている213人を対象にして、5日間のうちに症状がどのように変化をしたかを調査。
その結果、孤独感があると回答した人たちほど、風邪の悪化がひどくなっていることがわかった。そして興味深いのは、その人たちにどれだけたくさんの友達がいるか、その“規模”は関係がなかったということなのだ。
つまり、メッセンジャーアプリでたくさんの友人とやりとりしていても、またSNSでたくさんのフォロワーからいいねされようとも孤独感に苛まれてしまうのだ。そのつながりの規模よりも質、関係の深い人がいる方が孤独感を感じないという。
そして深い関係の人たちがまわりにいる人たちのほうが、風邪が悪化せず、健康にいられるということでもある。ちなみに風邪にかかるかどうかは、寂しさを感じる人もそうでない人も差がなかったという。
研究チームによれば、医療関係者が患者の症状について考える時は、その人がおかれている社会的な状況や、それにもとづく精神状態も合わせて診る必要があるとのことだ。
文/高野景子