ノルマを達成できなかった従業員に、罰金としてみずから紙幣をやぶらせる、そんな企業の映像が世界をざわつかせている。
海外複数のメディアが報じたところによれば、この映像は先月下旬に中国山東省鎮安市の家電量販店で撮影されたものだという。
SNSで公開されている映像では、うつむく従業員に対して、上司が大声で叫び「すぐに金を取り出して破れ」と命令。従業員らは、うつろな表情でポケットから100元(約1600円)を取り出し、その紙幣を破くのだ。
同店は先日リニューアルオープンを行い、従業員に対する“キャンペーン”として、1日の販売件数が100件というノルマにいたらなかった場合には、100元の罰金を処すことにしていたという。そして罰金は店が回収するのではなく、従業員みずからにやぶかせるという方法を採っていた。
映像はすぐにインターネット上で拡散して炎上。「この店は絶対に使わない」「最低の店」「今すぐ辞めるべき」「ブラック企業すぎる」などといった声があがり、また警察当局への通報が行われた。
というのも中国では紙幣を毀損することは貨幣法で禁じられているからだ(日本では貨幣の毀損は貨幣損傷等取締法に抵触するが、紙幣は該当しない)。
地元警察が同店幹部らへの調査を行った結果、店側は、この罰に処された従業員らに100元を補償することを約束させられ、また貨幣法を適用し1000元(約16万ウォン)の罰金を払うことになった。
画像参照 人民日報
文/関本尚子