辛さと美味しさを両立させたラーメンで大きな人気を誇る、蒙古タンメン中本がHPに発表した「怒りの告発文」が、インターネット上などで大きな反響を呼んでいる。
5月25日に白根誠代表の名前で発表されたという文章には、大田区にある中本元蒲田店の店主が、昨年オープンした「荒木屋」との間に起きているトラブルがつづられている。
現在「元祖旨辛系」をうたっている荒木屋が、中本を彷彿とさせるメニューを出しているとのことで、それを「違反」だと告発するものだ。
さらにネット上で特に話題になっているのは、同店出店までの経緯や、中本側が主張する店主側の「問題行動」などだ。
■中本の類似メニューで紛争へ
それによれば、現・荒木屋の店主が営業する上で複数の問題行動を起こしたとして、「蒲田店を営業させることは、お客様からの当社の信頼を失うばかりか、お客様に対しても多大なご迷惑をお掛けしてしまうと判断し、即座に『のれん分け契約』を解除」し閉店させたという。
その後も両者の間でトラブルが起き、平成26年8月には中本サイドが東京地方裁判所に仮処分を申請、最終的には同年9月に和解を結んでいる。その中では元蒲田店店主は中本に類似するメニューを出さないことを約束したという。
「しかし実際フタをあけてみれば、中本を彷彿とさせるメニューが多く、また実際に店側も『古き良き中本』をアナウンスしています。オリジナルレシピだと荒木屋側は主張していますが、これではトラブルは避けられないでしょう」(ラーメンファン)
実際店に行って食べてみるとメニュー名こそ違うものの、たしかに、マニアではないかぎり間違えてしまいそう、そして味もいい。筆者が行った昼下がりもまだ12時前だというのにほぼ満員、他の客からは「この辺りで一番美味い店だから」といった声も聞こえてきた。地元でも愛されている人気店となっているようだ。
■中本の肩をもつ古くからのファン多し
中本サイドに寛容さを求める声もあるようだが、中本の怒りは当然だとするのは、古くからのファンだ。
「蒙古タンメン中本は、先代が1998年に一度閉店させているんです(※当時は『中国料理 中本』)。ですが現在の代表である白根氏が、自身熱心なファンだったことから、幾度も先代のもとを訪れることで、ようやく現中本として再開することを許されたんです。白根氏以外にもそういうファンがいたようですが、先代は『白根以外には味は教えるつもりはない』とも近親者に語っていたそうです」(古くからの中本ファン)
白根代表の熱意がなければ幻の味として消えたはずだった味、また自身が愛した味、それが現中本のラーメンだ。そう考えれば、今回の荒木屋への怒りも理解できるような気はするが。また中本サイドは荒木屋がチェーン展開をするという噂を鑑みて、今回の行動をとったとも説明している。
…このトラブル、とても甘い落とし所にはいかなそうだ。