自己啓発本は効果ない、大学研究で明らかに 読む人には高濃度ストレスホルモンも

えー、効果ないの!?

ビジネス書の一角をしめる自己啓発本、「今日から◯◯◯できる私」「もう◯◯◯しない」「今すぐ◯◯◯できる5つの方法」といった感じのもの。現代人の悩みを解決する効果がこれらの本にはない、という研究結果が話題を呼んでいる。

■自己啓発本の読者はストレスフル?

カナダのモントリオールにある大学研究所「Institut universitaire en santé mentale de Montréal」、同施設のキャサリン・レイモンド博士らが調査を行った。30人の被験者に、精神的負荷のかかる状態でインタビューを行い、唾液中のストレスホルモンを計測。

この結果、自己啓発本の読者は、読んでいない人々よりも、高濃度のストレスホルモンを分泌していることが判明。また抑うつ的兆候も見られたという。

誰だって成功したいし、元気づけられたいし…様々な理由で自己啓発本はよく売れる。

■自己啓発本の効果は薄い

専門家からは「そうったジャンルの本は望まれるほど効果がないように思われる」との指摘がなされ、その効果には疑問がるという声が高まってきている。そして「論理的に考えれば、そういった本が効果があるなら、一冊読めばすべての問題が解決するので、それで十分なはずでは」とのこと。ごもっとも!

自己啓発本といってもさまざまな類のものがあるし、それのおかげで成功できたという人もいるだろうから、この研究結果がすべてとは言うべきではない。だが、今の状態より先によい状態があるはず、そうなれば幸せになれるはず、そういった霧中の中にいる現代人には示唆的な研究結果だ。

文/高野景子

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