激安寿司には深海魚などの代用魚が使われることがある…いやな常識になってしまったこの話だが、寿司ブームの海外でいまこの話題が注目されている。海外の寿司店や缶詰のマグロのうち、半数以上がマグロではない深海魚であったことが明らかになったのだ。
■食べると絶対下痢する魚が使用
この発表をおこなったのはNPO法人「Oceana」。同NPOがアメリカのフィッシュマーケットで調査を行ったところ、マグロとして売られているものの59%が偽物で、アブラソコムツなどであったという。
アブラソコムツといえば、体内の油脂成分に下剤作用があることで知られており、要は食べるとお腹がくだる。人体で消化できないワックス質が入っているためだ。味はいいため、オムツをはいてまで食べる人がいるという、ある種のマニアックな魚。
とはいえ、知らずに食べさせられる人はたまったものではない。デートの最中にそんなものを食べることになったら、とんだ大惨事、せめてアブラソコムツではない深海魚であって欲しい。
■ツナの定義自体があいまい
また同NPO法人は1200以上のツナ缶を調査。その結果、南カリフォルニア州で流通しているツナ缶のうち、50%以上には一切マグロが使われていなかったという。だが、ツナ自体は本来マグロだけを指すものではなく、アメリカの食品医薬品局も約14種類のマグロ以外の魚も「ツナ」と呼ぶことを認めている。
同調査によれば、アメリカの寿司店のうち70%以上のマグロが偽物であったことも判明。魚の偽装問題は、日本国内だけではなく世界的な問題になりそうだ。
文/高野景子