牛丼チェーンであるにもかかわらずカツ丼などをウリにしてコアな人気をほこっていた神戸らんぷ亭が次々と店を閉じ、ファンから悲鳴があがっている。らんぷ亭の連続消滅事件、このウラには意外な理由があったのだ。今年15年3月、ひそかに「東京チカラめし」系の会社に買収されていたのである。
■都内のジャンクフード大グループに吸収
らんぷ亭を買収したのは、都内にジャンクフードチェーンを展開する、ユウシン/マックグループだ。「情熱のすためし どんどん」や、最近爆増している家系ラーメン「壱角家」などを運営している。また数年前には三光マーケティングフーズより買収し、「チカラめし」も参加に収めている。つまり我々のラーメンからどんぶりものまで、胃袋を惹きつけてやまないあの店もこの店も、同グループというわけなのだ。
■らんぷ亭の跡地に家系ラーメンが続々
そのため、らんぷ亭が閉店した後に家系ラーメン店がオープンしている事案、単に、ユウシン/マックグループの中でのラインチェンジによるものなのだ。
らんぷ亭は1993年にダイエーグループとして生まれたが、その後05年にIT企業ミツイワ株式会社へ譲渡。そして今回で2回目の“身売り”となったわけだ。前会社ではカツ丼屋というとんかつチェーンを運営していたために、らんぷ亭は牛丼よりもカツ丼に力をいれるオルタナティブ・牛丼チェーンとして異彩を放っていた。
■オルタナティブ牛丼チェーンはどこへ行くのか
チカラめし/すためし/家系ラーメンで都内を制覇しつつあるユーシングループのもと、らんぷ亭はただ消滅して他の業態へ転換するのか、同チェーンのキャッチコピー「新たなる牛どん文化の創造」を行っていくのか、注目されている。
それにしても、チカラめしやらんぷ亭を吸収、また後進ながら“すたみな丼”や家系ラーメンに目をつけてきた、ユウシングループのジャンクフードへの慧眼はマジですごい!
文/原田大