10年後ラーメンはいまほど美味しさをキープできなくなるかも知れない。じつは地球温暖化の影響でさまざまな食物に悪影響が出てくるという研究結果が出ており、我々の好きな料理にも、間接的な影響をおよぼすと見られているのだ。
■暑さのストレスで肉質が落ちる
オーストラリアのメルボルン大学の研究によれば、地球がもっと暑くなることにより、肉製品、乳製品、農産物の質が低下、さらには価格が大幅に上がるという。
温暖化が進んで気温が高くなると、汗腺の少ない動物たちには大きなストレスがかかり、バテた結果として肉の質が落ちたり、熱中症で死ぬものも出てくる。牛では牛乳のタンパク質含有量が減ったり、搾乳量そのものも低下すると見られている。当然、チーズの味が落ちたりといった影響が考えられるという。
■ニンジン、いも、タマネギにも壊滅的ダメージ
ニンジンなどもそれだけ温度があがると本来の風味が失われ、タマネギはサイズが小さく、じゃがいもには疫病が流行ると見られている。ラーメン、カレー、ハンバーグ、牛丼などどれも我々の好物にはかかせない食材ばかり。
この研究は、オーストラリアでの影響を調べたものなので局所的な話…というわけでもない。温暖化は世界で起きるわけで、当然日本の農業でもこういった思わぬ影響が出るだろう。
■影響は全世界に…
この調査の関係者は「温暖化は猛暑の数を増加させる」「干ばつが主な問題として浮上した国は、社会的な問題にすぐに直面するだろう」と警告している。安く美味しいものが食べられる我々の生活はいつまでも続くものではなさそうだ…。
文/鷹村優