アメリカをはじめて海外では現在「RAMEN」が大ブレイク中で、新しい店が次々にできている。日本でラーメンを食べ歩き、新店舗でのアイデアに使おうとする海外のエージェントもおり、ネクストブレイクできる味を探っている。そんな彼らが「クール」と思ったラーメンが凄い。日本人がみても「やべー!」としか言えない店なのだ。
「背脂チャッチャ系と言われるラーメンに注目しています。なかでも、東京池袋にある一秀という店のラーメンは素晴らしい。スノーホワイトなラーメンで見た目がビューティフル。知人でも絶賛する人は多いです」(日本のラーメンをリサーチ中のアメリカ・フードカンパニー社員)
背脂が大量に入ったラーメンは、新潟燕三条、京都、東京では熱いファンを獲得しており、一定の市民権を得ている。だが池袋の一秀はたしかに異色だ。1970年代から80年代に流行した伝説の店「土佐っ子」で働いた経験のある元店主(現在は2代目)が作り上げたもので、先に話題にでたメニューが「特製ラーメン」(850円)。これ、見た目がとにかくすごい。
表面はなるほど「スノーホワイト」だ。背脂で真っ白にふりかけられており、こんなに真っ白いラーメンは見たことがない! まるで雪景色。ゆでたまごがかまくらのように、背脂にまみれたネギがこんもり雪林のよう。盆景を思わせる叙情すら感じさせる。
「下からかき混ぜると、ブラックな麺が出てくるのはびっくりしました。ミステリアス! ガーリックが強くて美味しかった」(同前)
そうなのだ、この脂の下には、真っ黒なスープが入っており、麺もそれに染まるようにして黒い。下から麺をかき混ぜて食べるのだが、白から黒へのドラスティックな色の変化がある。また上質でほの甘い背脂と、ニンニクのきいた黒いスープが絶妙にマッチングする。
また先の社員によれば、麺に韃靼そば粉が使われているのもエキゾチックでいいとのこと。この日本人ですらギョーテンするようなこのラーメン、もしかしたら海外で大ブレイクしちゃうかも?
文/鷹村優