マグロは危険魚か、脳をトロかす悪影響も 中国工場からの水銀汚染で

キハダマグロの水銀汚染が深刻化している。

キハダマグロについて、米国環境NGO・天然資源保護評議会は、「食用する量を減らすか、食べるべきではない魚」としている。実際、ミシガン大学の研究によれば、キハダの北太平洋での水銀含有量は、年4%近いペースで上昇中という。これは驚異的な数字だ。

■マグロの水銀は脳に悪影響

水銀を人間が摂取した場合には、脳の発達や機能などに悪影響を及ぼす。子供の場合であれば、発達障害や知能指数の問題を引き起こすと言われている。

人間の産業活動により海に流された水銀は、海中の微生物に吸収され、メチル水銀として蓄積。そして微生物を食べた海洋生物のなかに集積していく。

そのため海洋生物で食物連鎖の上に行けば行くほど、たまることは知られており、妊婦が避けるべき食べ物としてマグロやクジラなどは以前から知られていた。だが、その危険度が増しているということだ。

■汚染水銀は中国の工場に由来

ミシガン大学の研究によれば、キハダマグロを汚染している水銀は、アジア各国、さらにいえば中国の工場に由来しているという。2020年にまでに水銀の総排出量を減らす「水俣条約」に中国も署名しているものの、それまでの間にどれだけの水銀が、水産物のなかに蓄積されるのは未知数だ。

文/鷹村優

編集部: