太宰治の味噌「辛くてすいません」が人気 太宰ファンからは「失礼」との声も

筆者も青森県の取材先で発見!

小説家・太宰治のファンの間で数年前から話題になっているのが「太宰みそ」(おおた工房)。青森の太宰にまつわるまつわらないに関わらず観光スポットで発売されている商品だ。

■キャッチコピーは「辛くてすいません」

パッケージには太宰治がプリントされており、そこに「辛くてすいません」とキャッチフレーズがついている。十数種類の食材を使っている、食物繊維・ビタミン・ミネラルが豊富な健康食品、というのがウリ。

ちなみにちょっとピリ辛であることから、キャッチの「辛くて」は「つらくて」ではなく「からくて」の模様。

■激怒する太宰ファンも

太宰ファンの間では「オサムをなめてる!」という声もあがっているが、そんな人はぜひ、太宰の「斜陽」を読んでいただきたい。

同作品の「卵味噌のカヤキを差し上げろ。これは津軽で無ければ食えないものだ。そうだ。卵味噌だ。卵味噌に限る。卵味噌だ。卵味噌だ」という一節。この「卵味噌」を作る際に、この太宰みそは重宝するし、実際パッケージにもそれが記してある。

■太宰の作品に登場する料理が作れる!

卵味噌とは、ホタテ貝の殻を鍋代わりにし、味噌に鰹節を入れて卵を落として煮た料理。この太宰みそを使うとより豊かな味に仕上がるので、太宰ファンよりもなんとなく買った人に好評を得ているのだ。

ちなみに筆者は生のきゅうりやニンジンをつける味噌に使っているのだけど、これもオススメ! とはいえ、やっぱり太宰治ご本人にしても、この味噌は不本意だろうなあ。

文/高野景子

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