好きな人に振られたり、仕事でいやなことがあったらカレーがいい? カレーに含まれる成分には、恐怖などの悪い記憶を消しさる効果があるとして注目されている。
■ターメリックに驚異の効果?
カレーの黄色を出しているターメリック。別名ウコンとしても知られているが、それが含むクルクミンという成分に、そんな“デリート効果”があるようなのだ。昨年11月、ニューヨーク市立大学の心理学者らが発表した。
■ラットで“カレー効果”がでた
研究チームは、ラットが特定の音にたいして恐怖するようにトレーニングし、その数時間後、ふたたびその音を鳴らすようにした。だが、クルクミンを大量に含むエサを与えたラットは、音に怯えなかったのだ。
クルクミンが脳への恐怖の記憶が定着することを防いでいるとみられている。これは抗炎症作用があるとして知られており、それが記憶に関しても影響を与えているとみられている。
■アルツハイマーへの効果も
またこの研究とは別に、04年、カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA) の研究チームがアルツハイマー病モデルマウスを用いた実験で、この疾患にたいして効果があると発表している。
■PTSDへの利用の期待も
研究者らは、トラウマなどの精神的な問題に関して、この物質を有効利用できるのではないかと考えているようだ。
■だが、効果は未知数
でも、カレーを食べたからといって、こういった効果があるかは未知数。ただ、やけ酒なんかは悪い記憶を定着させてしまうというから、嫌なことがあったらカレーのヤケ食いが一番なのかも? でもカレーってカロリー高いから太ってしまうなんて問題もあるんですよね。
参照/ncbi.nlm
文/高野景子