「冷凍食品のスープのつけ麺のレベルは、店のそれと遜色のないレベルです。700円とか800円出して専門店で食べるのは、もはや情弱の域になるかも知れません」(フードライター)
現在コンビニ各社では冷凍食品のつけ麺を販売しており、大体150円〜180円程度。食べてみると、たしかに美味しい。…というかどこかの店でこれに780円ぐらい払った記憶がある…とすら感じてしまう。
実際にネット上でもコンビニの冷凍つけ麺を店で出したら人気になった、というまとめサイトの記事が話題になったこともあるし、たしかに店に出してもおかしくないレベル。
いわゆる工場メイドの味が、店の手作りの味に追いついてしまったということか。
そんな感想を業務用のラーメンスープを製造している食品会社の関係者に話してみると、それは違うという。
「むしろ我々などの会社が工場で作った業務用のスープを、有名店が使っているんですよ(笑)。さすがにそのまんまではなく、うちのつけ麺専用のタレやスープやと、自家製のそれを合わせて作る。さすがに店で作ったものの方が、フレッシュさはあるので、ミックスすることで美味しいつけ汁になります」という。
この業者氏から見ても、コンビニのつけ麺は「レベルが高い」とのこと。
つけ麺専門店の主に話を聞いてみるとこんな話も。
「ラーメン店はガス代のコストがとにかくかかる。しかし、業務用のスープを使えば、それも抑えられるので、ひそかに切り替えている店はけっこうある。うちも迷っているし、業者が持ち込んできたサンプルを使ったらほぼ遜色のないものが出来上がったので、気持ちを揺れている。おまけに、コンビニのつけ麺が普及すれば、それこそ死活問題だという」
とはいえ、やはり業務用のものをもうひと味うまくするのが、有名店などの腕の見せ所とは先程の食品会社関係者の声。
我々からすればコンビニのつけ麺でいつでも美味しいものが食べられるのはありがたいが、業務用のレベルが上がりすぎて、手製の味が負けているとすれば、なんとも“コク”のなさすぎる話だが。
文/鷹村優