「タコのすべり台」「タコすべり台」などと呼ばれる遊具を見たことがあるだろうか。児童公園に設置されてている、タコの頭が乗った非左右対称な大型すべり台で、正式名称は「タコの山」だ。
最近では子供たちが屋外で遊ぶ機会が減ったため、ちょっと近くにあっても、知らない子も増えているとか。しかし、僕らをわくわくさせまくった、あの遊具の秘密に迫りたい!
実はスーパーアート! 海外からの評価も高い
渋谷にある、公園の遊具メーカー前田屋外美術株式会社(現在は前田環境美術株式会社)が1965年に、新西新井公園に設置したのが最初。
彫刻家出身のデザイナーが、子供たちのインスピレーションを刺激しようと複雑な構造で構想したもの。アーティスティックな発想で作られたものなのだ。
しかしこれにタコの頭をつけた方が子供に喜ばれるという、行政側の注文によりつけてみると、本当に子供たちに大人気となり、全国にひろまっていった。
タコのすべり台は形が全部、超違う!
図面はいわゆる設計図と呼べるものではなく、彫刻家さんが描いた絵をベースにつくり上げる。それに合わせて職人さんが鉄筋を曲げながら作っていくために、あれほど有機的なデザインとなるのだ。
そのために、タコのすべり台は量産ができるものではなく、どれもすべて形が違うのだ! そう思うとあなたのタコのすべり台にも愛着がわくはず!
九州に世界最大級のタコのすべり台!!!!
ダイオウイカがホタルイカに見えるくらいデカい
ブームは落ち着いたものの、今でもタコのすべり台は作られている。2010年に4000万円をかけて制作された世界最大のタコのすべり台が存在する。そのサイズは20メートル×6メートル、いわゆるプールぐらいのサイズがあるのだ! また2011年にはデンマークにも建造されているぞ!
文/原田大