毎日、お店の美味しい料理ばかり食べていそうな、グルメ評論家、サイト常連投稿者…彼らは本当に味がわかるのだろうか? 食への情熱とプレゼンテーション力があるのはわかる、だが味となれば別の話。
「毎日外食ばかりしていると舌が“劣化”しますからね。外食の濃い味に慣れてしまい、味の濃淡がわかりづらくなるし、風味などの淡い味わいがわからなくなる。自分は取材の時以外、なるべく味付けがうすい粥なんかを食べています」(グルメ誌ライター)
店屋物の料理は、明確に「うまい」と感じさせるために、塩分や油分、さらにはうま味調味料を多用しているのだから、それになれてしまえば確かに味を感じる力は弱くなる。だからこそ、さきのライターのような“調整”が必要なのだ。
「でも、評論家やグルメサイト投稿者には、よっぽど貧しい幼年期を送ったのでしょうか、外で食べることをステータスにしている人たちもいるんですよね。だからホームパーティーなんかに招待しても、人の作った料理にケチをつける。私の腕の問題かも知れませんが(笑)」(グルメ雑誌編集者)
この女性編集者がホームパーティーに読んだのは、あるジャンルの食べ物の著名な男性評論家だという。味が薄いとしきりに言うので、料理に化学調味料を足したら「よくなった」と言ったとか…。
グルメ評論家には、絶対味覚を持っているような人もいるというが、それでも外食ばかりでは味がわからなくなるというから、彼らには気を付けて頂きたいところ。
女性編集者はこうも語る。
「家の食事と外の食事は別物なんですよね。家のがわからなきゃ外の味はわからないし、外の味がわからなきゃ家の味はわからない。家の料理が一番美味しいっていうのは真理なのですが…、うちみたいな本が、そういう外食バカを増やしているのは否めませんが(苦笑)」(同前)
それにしても、外食するほどのお金もないために、弁当含めて3食家の食事をとっている筆者は、かなりの勝ち組ということでいいんでしょうか…?
文/関本尚子