キャビアなどの魚卵が珍重されているように、アメリカやヨーロッパでも日本の明太子の人気は高い。外国人からは明太スパゲティなどが好評なようだが、明太子のある別メニューに関しては、「美味いけど、ヤバすぎる…」という、妙な評判が。
それは「いわし明太子」だ。いわしに明太子を詰めたもので、かねふくをはじめとしたメーカーらが販売している。焼いて食べるとピリ辛で美味しいこの食品、なんで「ヤバい」のか。
日本在住7年になるアメリカ人のマイケル・アローンさんもこの食品のファンだというが「はじめて食べた時には驚いた! 美味しいけどビザール(奇怪、異様)すぎる。だっていわしの腹に、別の魚類であるタラの卵を詰めてるんだよ! ヘンタイすぎてクール・ジャパンだね」とのこと。
ある生き物のお腹に、別の種類の生き物の卵を入れるというのが、奇異に映るようなのだ。
筆者が先日取材に行った博多のあるショップの店員からも、いわし明太子の人気は海外の人にも高いし、アローンさんのようにびっくりするという話も聞いていた。
「海外のみなさんは『その発想はなかった』とおっしゃいますね(笑)。試食の時もおっかなびっくりで食べるんですが、ほとんどの人は『オイシー』と喜びますよ」(物産販売スタッフ)
たしかに、そう言われれば変な食べ物だが、我々日本人からすれば、逆にいわし明太子を奇異にとらえる発想自体が「それはなかった」なわけで…。
文/鷹村優