景気上昇により外食店への来客数が増加していることや、少子化によりアルバイトスタッフ減少で、外食産業でバイトの時給が上昇傾向にある。
今年3月20日、リクルートジョブズが発表したところによれば、3大都市圏での2014年3月度の募集時で平均時給は、前年同月比6円増の948円。しかも9カ月連続で前年を上回り、外食産業における人材不足の“危機的状況”を表しているとも言える。
たとえば外食産業の中でも、いま人が集まりにくいと噂されているのがすき家だ。ゼンショーホールディングスが展開する同チェーンはインターネット上で労働環境がさかんにネタにされてきたこともあり、それによってさらにアルバイトスタッフの募集が減っているのではないかという指摘もある。だが「明日は我が身どころか、とっくに我が身」というのが、外食産業関係者から聞こえてくる。
また事情が異なる面もあるが、福島県南相馬市原町区日の出町の「すき家原町店」でが、4月末に「アルバイト募集 時給1200〜1500円(深夜)」で募集が行われている。東日本大震災や福島第一原発事故による要因がかなり大きいが、それでも今まででもっとも高い時給となっている。
我々が安くて美味しいファストフードを味わえるのは、安い労働力に依存している部分も大きい。だからといって、若者が安い給与でこき使われていいわけでもなく、バイトの時給問題は我々にとっても死活問題のジレンマなのかも知れない。
文/鷹村優