福島騒動「美味しんぼ」漫画誌 姉妹誌のキャッチコピーは「がんがん食うぜ」

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※ビッグコミックスペリオールに掲載された文言。
※ビッグコミックスペリオールに掲載された文言。
「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載中の漫画「美味しんぼ」において、東京電力福島第一原発の取材後に主人公らが原因不明の鼻血を出す、という表現が物議をかもしている。今月7日には同県・双葉町が福島県民への差別や風評被害を助長するとして、発行元の出版社に抗議文を送っている。

編集部は「鼻血や疲労感の表現は、綿密な取材に基づき、作者の表現を尊重して掲載させていただきました」として、放射線による被害を断定したり、風評被害を助長する意図はないと説明。

そして「ビッグコミック」シリーズでも、福島の“問題”については各誌、各作家で異なるスタンスをとっている。

「ビッグコミックオリジナル」に掲載されている山本おさむ氏による作品「そばもん」では、被災地のおそば屋さんのエピソードを通じ、作者自身が自宅が福島県天栄村にあることもあり、これらの問題について正面から描いている。健康被害についてではなく、福島県の食に携わっている人が置かれた状況について真摯に語っている。騒動となった美味しんぼと同時期の掲載だったため、比べる意見も多い。

また同誌の姉妹誌である「ビッグコミックスペリオール」は、早くも2011年5月の時点で、次号予告ページで「強制はしない、だけどオレは、魚、ほうれん草、牛乳…がんがん食うぜスペリオール」というキャッチコピーを掲載しており、被災地への応援スタンスをいち早くとった。

5月4日、「美味しんぼ」原作者の雁屋哲氏はブログで「当然ある程度の反発は折り込み済みだったが、ここまで騒ぎになるとは思わなかった」とつづり「「反論は最後の回までお待ちください」としている。雁屋氏はどのような話で決着をつけるのか、注目が集まっている。

文/鷹村優