「この祭が近くなると、あちこちの屠殺場からキャイーン、ワオーンという犬達の悲鳴が鳴り響きます。それも祭が来るなあなんて風情の一つ」
そんな近隣住民の声を地元メディアが伝えている。
中国南部の広西チワン族自治区・玉林市で行われるのが「狗肉節」、かんたんに言えば「犬肉祭」だ。今年は6月21日に行われた。同地区では夏至に犬を食べる習慣があり、約20年前からフェスティバルになっている。この日には約1万頭の犬が屠られて、食べられる。犬肉の焼いたものや火鍋などが人気メニューで、中国全土の愛犬家(食べる方)が集まるという人気イベントだ。
地元の、飼う方の愛犬家の間では「この日だけは犬を外に出してはいけない」と言われる恐怖の1日。ちなみに食肉用の犬は、基本的には養殖された食用犬ということになっているが、捕まえられた野犬が売られて肉にされるといった噂も絶えない。
しかし、最近では中国でも飼う方の愛犬家が増えてきており、北京や上海などの文化レベルの高い都市から集まった反対派が「野蛮行為は辞めるべき」といったデモ活動を行うようになっている。ちなみにこのデモ隊の一部には「美味しいのは認めるが」と現地メディアにコメントしており、食べた経験自体は隠していない人も。ほのぼのだ。
文/編集部