養殖池での病気の蔓延などにより、世界的にエビが不足している。昨年まではキロあたり800円だったが、現在では1200円まで高騰。価格上昇のあおりをうけ天ぷらチェーンでエビを使ったメニューが自粛されるなど、日本の食卓でも波紋を広げている。
そこで注目されているのがザリガニだ。どうしても日本人にはドブ川などに住んでいる真っ赤なアメリカザリガニのイメージが強いのだが、アメリカ南部では日常的に食されているし、中華料理でも小龍蝦として人気食材である。
エビの高騰で商社などの“食材ハンター”たちが、エビの代替食材として、世界各地のザリガニ養殖施設に連絡しまくっているのが現状だという。
「本来ならザリガニの方が養殖数が少ないぶん高価。ですがここまでエビが高騰すると、ザリガニの方が割安になる場合もあります。しかし海外市場はともかく、日本市場ではザリガニはイメージが悪いので、せっかくのザリガニの在庫は、ほぼ回していません」(食品業界関係者)
一方で、東京近郊・西川口の中華料理店などでは「エビだと思っていて食べたら、ザリガニだった」といったトラブルも起きている。ちなみに筆者も知っている店なのだが、ここの店主は夏のうちに近隣の田沼でザリガニとって、冷凍保存して店に出している(さすがにオールシーズンは出せないが)。最近ではエビが高いため、このザリガニをエビチリなどにして出していたようだ。
エビの供給量がもどるのは来年と見られているため、こういったザリガニトラブルもまだまだ続きそうだ。
文/編集部