着色原料が虫からイモに 虫の旨味が味わえないとの批判も

コチニール色素原材料となるカイガラムシ。オエ〜。※画像はwikipediaより。
一部のイチゴミルク、カマボコ、ストロベリーヨーグルト、口紅などに使用されている、赤色の着色料のコチニール色素。乾燥させたエンジムシ(コチニールカイガラムシ)から作られていることはあまり知られていない。この虫から温水・熱水などで色素を抽出し、不溶化させるとコチニールレーキという赤色顔料となるのだ。この着色料が使用されたものを食べることは、虫のダシ汁を飲んでいるようなもの、とも言える。

しかし、虫を食べるのなんてまっぴらだというあなたに朗報だ。テキサスA&M大学の食品化学准教授であるスティーブン・タルコット(Stephen Talcott)氏によれば、サツマイモの1品種であるムラサキイモから同様の着色料が作れるとしており、安定供給のための研究をすすめており、食品業界からも注目視されている。

このカイガラムシから作られたコチニール色素の製造者が、まれに職業性喘息を起こすことも知られており、また食物アレルギーなどによる、呼吸困難を含めたアナフィラキシーショックが起きた事例が知られている。そのため平成24年5月11日には消費者庁から注意喚起がなされた。こういった安全性に面からもムラサキイモへの転換が望まれている状況だ。

アジア圏などの食虫文化がある国では「虫から変える必要はない」といった意見もあるそうだが、ほとんどの国の人々はこの「カイガラムシからイモへ」の転換を望んでいるという。

文/編集部

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