冷凍食品は体に良い イギリスの研究者が定説を覆す

一度冷凍すると劣化する、というイメージがあるが……
冷凍食品は、凍らせずに普通に売られている野菜に比べて栄養などの面で劣っている、と考える人は多い。さらにいえば、冷凍食品は体に悪いと思っている人も少なからずいるのではないだろうか。ところが、こうした常識を覆す研究結果が発表されたと、Dailymailが報じている。

イギリス・チェスター大学とレザーヘッド食品研究所は、同じ食材を、冷蔵と冷凍でそれぞれ3日間保存した後、含まれる栄養などを調べるために40のテストを実施。すると、冷凍で保存した野菜には劣化がほとんどみられず、新鮮な野菜として販売しても遜色ない状態であることがわかった。一方、冷蔵庫に保存したものは、日に日に劣化していき、栄養も次第に失っていったのだという。

このことから博士は「生の野菜は冷凍食品よりも優れている」というのは誤解だと、と主張している。

3日間の保存でどれだけの差がでるのかというと、例えば、冷凍ブロッコリーは、ビタミンCやルテイン、βカロテンなどの健康的な成分が冷蔵保存したものの4倍程度保たれていたとのこと。またガン予防の効果が期待されるポリフェノールの値も冷凍の方が高かったのだとか。この他の食材、冷凍ニンジン、ブルーベリーなどでも同様に栄養が保たれたのだという。

「色々と槍玉に上がることの多い冷凍食品ですが、ただ凍らせるだけ、という世間のイメージとは裏腹に、研究者や技術者は冷凍技術を進歩させてきました。そして今では栄養分の喪失を最小限に抑えられるようになってきたのです」(美容ライター)

もちろん、すべてにおいて冷凍食品が常に優れている、というわけでもない。

「冷凍や解凍によって歯ごたえや味に変化が起こることはあります。そのことで味が落ちたと感じる人もいるでしょう。ただ、冷凍や解凍の技術は、単に栄養の減退を防ぐことだけに特化して発展してきたわけではありません。食材によっては、一度冷凍したとは思えないぐらい生の性質を残せる冷凍・解凍技術がすでに開発されているものもあります」(同)

これを機に、冷凍食品を見なおしてみてはいかがだろうか。

参照元:Mail Online

※写真はWikipediaより

(文/林田卓夫)

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