漁師たちの間にしか流通しない禁断の魚・通称「ウ●コウオ」というものがいる。魚の中でもマグロよりも美味いとされるのだが、ある問題があるために、市場にはいっさい出てこないのだ。
その魚はバラムツ(学名 Ruvettus pretiosus)。通常は水深数百メートルに生息する深海魚であるが、夜間には浅場に浮上することが多いため、刺し網や延縄などにかかることが多い。顔立ちはいかつくムツのようだが、実際はスズキの仲間だ。
「肉は白身なんですが、ものすごく脂っこいことから白大トロとも言われますね。身自体はしっかりしているんですが、口に入れると淡雪のようにとけて脂の旨味が口に広がるなんて言われています。ただし、これを食べると気づかないうちにウ●コが漏れてしまうんです。大量に摂取した場合には昏睡状態になるという事例も報告されています」(釣り専門誌ライター)
というのもバラムツは体内の油脂成分のほとんどが、人体で消化されないワックスエステル(蝋)。そのため、大量に摂取すると皮脂漏症(皮膚から油が漏れる病気)や下痢や腹痛を引き起こす。1970年から食品衛生法第1章第6条2項に該当する食品として厚生労働省から販売禁止指定されているために、市場には流通しないのだ。
「だから、漁師たちはこっそりと釣って、オムツを着用して食べたりしている人がいます(笑)。やはりウ●コをいい年の大人が漏らすわけにはいかない、それでも食べたいと思われているんですよ」(前出・ライター)
前述のように命の危険もあるので、もぐもぐはオススメしませんよ! うーん、個人的には食べてみたいけど…。
(文/門戸市清次郎)