9月8日早朝、2020年の東京オリンピック開催が決定した。
お祝いムード一色の日曜を終え、月曜に株式市場で取引が開始されると、案の定オリンピック関連銘柄の株価がのきなみ急騰。建設業、観光業、スポーツ関連企業などに買い注文が増えている。しかしその中で、小売業、スーパーマーケットなのに株価が急上昇した企業があった。
その企業とは、株式会社Olympicグループ。同社は東京、神奈川、千葉、埼玉などの関東を中心にスーパーマーケットやホームセンターを展開している。
余計な説明はいらないだろう。名前が一緒なだけで買われたというわけだ。しかし、反射的に買った後で、すぐに無関係な企業であることに気づいたのか反落。ネットでも「オリンピック関連株じゃないだろコレw」などと嘲笑する意見が目立つ。
だが、その恩恵は、単に名前が一緒だからイメージアップ、というレベルではないというのが一部投資家の見方だ。
「地下鉄サリン事件の時、オウム真理教とは全然関係ないオーム社がとばっちりを受けました。あれはマイナスの影響でしたが、当然プラスの影響だってありますよね。今日だって、買ったそばから株価が上がってるわけで、高値がついた一瞬のうちに利益を確定させた人もいるんじゃないでしょうか。そういう意味では立派な「関連企業」だし、正しい株の買い方の一つですよ」(個人投資家)
さらに現時点で業務的には全然関係なくても、やり方次第では利益につなげることができるのだという。
「五輪クラスのスポーツイベントで公式スポンサーになるには相当な金を出さないといけませんが、このスーパーでは「オリンピック弁当」なんて商品もタダで売れちゃうわけですよ。中途半端な関連企業なんかよりもずっと有利じゃないですか?」(同)
株式会社Olympicグループは、東京オリンピックの2年前に創業。オリンピックを目指す若者の情熱とエネルギーを企業として持ち続けたい、との理由からこの社名となったのだとか。当時は上場企業ではなかったので恩恵も限定的だったが、これから7年間は「この社名で良かった」と実感する日々が続くのだろう。あなたもその恩恵に預かってみてはいかがだろうか。
(※必ず儲かるとは限りません)
(文/林田卓夫)