「ケミカルー! 私が死んだらお経をあげてー!」そんなファンの叫びも話題になり、ラストコンサートを終えたファンキーモンキーベイビーズ。2013年6月2日の東京ドーム公演を最後に、惜しまれつつも解散した。そんな彼らに哀悼の意を示すため、聖地とも言われるラーメン屋に行ってみたぞ!
メンバー行きつけ店「ラーメンのデパート宮城」
ファンからは神聖視されている、メンバー行きつけのラーメン屋が八王子にある、「ラーメンのデパート宮城」だ。メンバー全員が八王子出身でこの店に通っていたというこの店には、彼らのグッズがところせましとならび、現在はモン吉メンバー考案による「ファンモン麺」があるなど、ファンには嬉しい空間になっている。筆者が訪れた平日夕方もファンとおぼしき女性たちが「九州のライブのあとでモンちゃんがさ〜」などと話をして、ファンモンファンらしい平和な空気をかもしていた。
とはいえ、ファン以外も十分に楽しめるのがこの店の凄いところなのだ!
「ラーメンのデパート」を名乗るだけあって、この店にはトンカツラーメンやかきあげラーメンなど、エンターテイメントなメニューが多数ある。かきあげラーメンを食べてみたのだが、これが実に美味い。ラーメンにかきあげ天が乗っているという、凄まじいフュージョン料理なのだが、味も凄い。
もたれる味がファンモンっぽい!
真っ黒で油っぽいスープに、さらにかきあげの油が溶け出して、あっという間にギタギタに、そしてコールタールを彷彿とさせる黒美なる液体へと変貌するのだ。さらに食べているうちに、かきあげ自体がスープに溶け出し、麺と混ざり合い、もはや収集のつかない様になるのだが、それがかえって味わい深いのだ。
「愛」とか「恋」とか「大切」とか「想い」とか「幸せ」とか、彼らが歌っているメッセージのように、なんとなくよさげなものを一つの丼にギュウギュウ詰め込んだ、嬉しい感じの味がする。油、麺、小麦、野菜くず、肉…ぼくらのハッピーが全て一つに。おまけにかなりアブラギッシュなので、食べ終わった後にも胃の中に「幸せ」の感じが残り続けるのだ! この印象深さとカオスさ、そして化学調味料の効き方はまさに、DJケミカル(猿顔の人)!
ファンと一般人のバトルもアリ?
壁にはDJケミカルの似顔絵がいく枚も貼られており、ファンとおぼしき20代ぐらいの女性客らが写メをとっていた。だが、後から入ってきた派手なTシャツを着た中年女性2人が、その似顔絵を見て…「ああ、この子が仏さんになって解散しちゃったんだよねえ。若いのにかわいそうにねえ」。
この女性は色々勘違いしているのだろう、DJケミカルは実家のお寺を継ぎ、仏門に入ったのであって、仏になったわけではないのだ。たしかにこんなにベタベタ似顔絵が貼られていると、そういう風にも見えなくはない。
とにもかくにも、そんなオバちゃんの適当なトークや、かきあげラーメンなど、ファンモンの聖地と言われるだけあって「ラーメンのデパート宮城」は実に素晴らしい空間だったわけなのだ! オバちゃんの一言に対し、ファンの女性が「…ケミカルは死んでねーし」と鬼のような形相でつぶやいたことも含め、やっぱりファンモン、最高のエンターテイメントを提供してくれる!
文/得手幸吉