印中の代理戦争だった?
「あのメニューの裏側には、かつてインドと中国のアジア覇権をかけた戦いがあったと言われているんですよ。実は印中の代理戦争だったとか」(フードライター)
現在ひそかにブームになっている麻婆カレーをご存知だろうか? カレーと麻婆豆腐をミックスさせたメニューで、店ごとによってスタイルはかなり異なるのだが、いつの間にかジャンクフードチェーンの隠れた定番商品になりつつある。しかも、このメニューには先のフードライターが指摘するような、都市伝説があるという。
華僑とインド人のトラブルから
松屋の「マーボーカレー」は期間限定メニューとして稀に販売し、今年は2月14日から解禁されている。またCoCo壱番屋は7月末までの限定商品として「麻辣豆腐カレー」を販売中。東京チカラめしはややスタイルが違うのだが、同じ皿でご飯をはさむようにカレーと麻婆をあいがけした本格四川麻婆&カレーを期間限定で発売している。
「このメニューは日本に住む、ある有力な中国華僑と、マハラジャの血をひくというあるインド人とのトラブルから作られたと言われているんです。あるレセプションで顔を合わせた二人が、カレーと麻婆豆腐のどちらが上かでもめた。カレーも麻婆豆腐も、どちらもたくさんのスパイスを使った芸術的な辛い料理ですからね。それで二人の息のかかった飲食店で、カレーと麻婆を食べ比べる催しをしたんです」(全国紙文化欄担当記者)
本当の起源はゲーム?
両国は長い国境を抱えることもあり、昔からトラブルが絶えなかったが、料理でまでもめちゃうの?
「ところがその催しに参加していたアメリカ人が、冗談なのか、見分けがつかなかったのか、ご飯にカレーと麻婆豆腐を一緒にかけて混ぜて食べたそうなんです! そうしたら大絶賛。その場にいた人もやってみたら、意外にイケるとなったんですよ。肝心の華僑とインド人は納得しなかったそうですけどね、あんなしょうもない食べ物と一緒に食うなと。そんなグルメ漫画みたいな話があったと言われています」(前出・記者)
同記者が語るには、この催しに参加した人がこのメニューを広めたとのこと。現在でも深く対立している印中だけに、料理の上でだけでも“融和”することができたというのは、ちょっとイイ話だ。
とはいえ、マ―ボーカレーの起源はRPGゲーム「テイルズオブシリーズ」の登場アイテムが初出であり、ゲームとコンビニや飲食店がコラボして実際に販売された、とも言われている。というか、こっちの方が信ぴょう性が高そうなのだが。
まあゲームのアイテムって思うよりも、この裏には国家対立があって…なんて思いながら食べたほうが面白い。とはいえB級グルメにこんな都市伝説があるっていうのに、びっくりですよね。
文/四川栄一
キハチもマーボーカレー作ってる、レシピ載ってる!