“甘くない”ストロング缶チューハイ6本比較! いちばん甘くないのは、そして美味いのはどれだ!?

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最近の缶チューハイはどれも甘すぎる。そう感じているのは記者だけではない模様で、売り場には”甘くない”を売りにしたアイテムも目立つようになってきた。今回は6種類を飲み比べ、どれがいちばん甘くないのか? そして美味いのかを検証する!

 

どんな料理にもよく合う、辛口で甘くない缶チューハイを嗜みたい!

そもそものきっかけは、ストロング系缶チューハイを飲み比べる企画をやった時、高アルコールであるにかかわらず”甘い”缶チューハイが多かったことだ。

果実味にこだわるのはいいが、同時に甘みを感じさせる商品ばかりで大いに疑問を抱いた。かつては甘いのがサワーで、甘くないのがチューハイというお約束が存在した。しかし近年の缶チューハイ(RTD〜Ready To Drink/レディ・トゥ・ドリンク)シーンを見てみると、どれも総じて甘い。

 

そして、その後に検証した『ウィルキンソン・ハード無糖ドライ』に記者は衝撃を受けた。

これ、本当に甘くないのだ! そしてこの記事がけっこう読まれたので、記者以外にも甘くない缶チューハイを求めて彷徨っているドリンカーは少なくないと推測した。そこで今回は『ウィルキンソン・ハード無糖ドライ』を含めた”甘くない”6品種を飲み比べてみる。果たしてどの缶チューハイが一番甘くないのか? そして美味いのか?

 

アサヒ、宝酒造、キリン、サントリー、オエノンの5社から発売中の甘くない&ストロング系の缶チューハイを6本セレクト。どれも糖質およびプリン体はゼロ。ただしベースになるアルコールはジン、ウォッカなど多様になっている。では早速飲んでみよう。

 

 

1本目:アサヒビール『ウィルキンソン・ハード無糖ドライ』

(350ml・希望小売価格 税抜141円・2017年6月20日発売) 原材料:ジン、レモンライムスピリッツ、グレープフルーツスピリッツ、酸味料、香料 アルコール度数:9% 甘くない度:むしろ苦い

今回の企画の発端でもある『ウィルキンソン・ハード無糖ドライ』。ベースにはクセのあるジンを採用しているのが男らしい。同ブランドの定番本格派炭酸割り材「ウィルキンソン タンサン」を使用しているのが特徴。レモン、ライム、グレープフルーツの苦い果皮を浸漬処理して生み出した風味。

飲んでみると苦々しい。そもそもジンが苦い、その上にピールの苦味も来る。これはもう甘くないどころか苦いお酒。それだけにグイグイと流し込むたびに気合いが入る味わい。全く甘くないが故に、どんな料理にも合うはずだ。

 

2本目:宝酒造『タカラcanチューハイドライ プレミアム』

(350ml・希望小売価格 税抜210円・発売中) 原材料:焼酎、レモン、グレープフルーツ、香料、紅花色素 アルコール度数:9% 1984年発売の元祖缶入り辛口チューハイ 甘くない度:かすかにフルーティー。

どこか懐かしいこの味わいは焼酎ベースだからだろうか。昭和の横丁的な、決して高級ではないがどこか惹かれる郷愁を味わいたいならこれだ。ほどほどの焼酎の苦味に申し訳程度の果実感。

飾らないこの味わいは、どこかパンチに欠ける感じもある。そのぶん、日常に溶け込みやすい味ともいえる。

3本目:アサヒビール『辛口焼酎ハイボール』

(350ml・希望小売価格 税抜141円・2017年6月20日発売) 原材料:焼酎、酸味料、香料 アルコール度数:9% 甘くない度:MAX

こちらも焼酎ベース。焼酎ハイボールという名前の通り。そして、もはや果汁は一切加えない潔さ。それでもプルタブを落とすと爽快なシトラスの香り。しっかり苦くて、飲みやすさのための必要最低限の酸味料と香料。

このミニマリズムにも通じるストイックさが料理を引き立てる名脇役の味わい。

4本目:キリンビール『キリン 氷結ストロング ハードライム』

(350ml・希望小売価格 税込152円・2017年7月18日セブン&アイグループ限定発売) 原材料:ライム果汁、ウオッカ、酸味料、香料 アルコール度数:9% 甘くない度:酸っぱい

ライムの氷結ストレート果汁を使用、炭酸を強くしたウオッカベース。

これは、酸っぱい。ウオッカにクセがないぶん、ライムの酸っぱさが駆け抜ける。確かに甘くはないのだが、酸っぱいのが弱い人には勧められない。

 

 

5本目:サントリースピリッツ『ストロングゼロ ドライ』

(350ml・希望小売価格 税抜141円・2017年6月20日発売) 原材料:レモン、グレープフルーツ、ライム、ウオッカ、スピリッツ、香料、酸味料 アルコール度数:9% 甘くない度:ほぼ甘くない

“甘くない”とパッケージに書いてあっても、結構甘いことが多い印象がある問題児(?)が「ストロングゼロ」シリーズ。しかしこれは本当に甘くないので、好感を抱いた。ベースの酒の苦味を中和するためのフルーツ感という趣き。ものすごく厳しい人なら、少しだけ甘いと言う人もいるかも?

 

6本目:オエノン『ビッグマン なまらすっきりドライ』

(350ml・希望小売価格 税抜141円・北海道限定発売) 原材料:ウォッカ、スピリッツ、酸味料、香料 アルコール度数:6% 甘くない度:すっきりと甘くない

北海道旭川工場で製造した北海道産ドライジン”をブレンドすることで、甘さをおさえたシャープな仕上げをしたというウォッカベースのRTD。庶民の味方、大容量が魅力の焼酎ブランド「ビッグマン」からのリリースというのにグッと来る。なぜか東京で手に入れてしまったが北海道限定商品。店頭で見かけたので追加。

これまた異色の味わいでこの無個性という個性が素晴らしい。どんな料理の邪魔もしないだろうし、6%というストロングすぎない絶妙なアルコール感が長くじっくり酔えるということなのだろう。やはり庶民の味方ぶりが際立っていた。

 

 

飾らない、気取らない、甘くないチューハイの世界がそこにあった

驚いたのは、どの製品もちゃんと甘くないこと。今までの経験上、果実感を出すと同時に甘くなるはずと構えていたが、それは良い意味で裏切られた。どれも甘くない、時に苦い、酒らしい酒としての横顔を見せてくれた。

 

 

酒の苦味を追求するなら、王道と言えるのは『ウィルキンソン・ハード無糖ドライ』。

『キリン 氷結ストロング ハードライム』は酸味が際立つ。好みの分かれるところ。酸っぱいお酒が好きならこれ。

 

6本のなかでは、サントリー『ストロングゼロ ドライ』はほんのわずか、甘さがある。辛党でも許容範囲ではあるが、一切の甘みを排除するならやはりアサヒか。

 

本来の「酎ハイ」らしい感覚をレトロに味わいたいなら『タカラcanチューハイドライ プレミアム』か『ビッグマン なまらすっきりドライ』がおすすめだと思った。この2つは牧歌的な味わいで、コンセプトからして違うかも。宝酒造とオエノン、それぞれのメーカーの個性が出ている。

 

 

甘くない缶チューハイの世界は、目を凝らせばすぐ近くにあった。これまで缶チューハイを敬遠してきた人にも刺さるドライさ。ユアベストをみつけて頂きたい!

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