『日清ラ王 沖縄そば』アブラ感マシマシのラーメン方向に思い切り舵を切ったこの味は好き嫌いが真っ二つ?

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沖縄で”そば(すば)”といえば、そば粉を使わない麺メニュー・沖縄そばを指す。麺は中華麺と同じ製法で、ダシもかつお節と豚と、ラーメンにほど近い。なのでラーメンほどは脂っこくなく、そば・うどんほどサッパリしたくないタイミングでは無性に食べたくなる。では麺に定評のある『日清ラ王 沖縄そば』はどう仕上げてきたのか?

スープ表面を覆う油膜がちょっと行き過ぎ、沖縄そばファンのためというよりもラーメンファンのためのものか!?

 

日清食品がセブンーイレブンの「ハイサイ!沖縄フェア」タイミングでセブンーイレブン限定で発売したのが、『日清ラ王 沖縄そば』(104gうち麺70g・希望小売価格 税抜257円・2017年7月18日発売※期間限定)。2000年に沖縄限定で発売された商品の復刻とのこと。記者は沖縄料理は大好き。中でも沖縄そばは店頭で見かけると、ついつい購入してしまうタイプ。ただ正直なところ、ハズし製品も多いという感想。ラ王なら、きっとわかってくれていると大きく期待しているのだが…。

沖縄料理店に行って沖縄そばを食べようとすると、よく似たルックスのソーキそばというのに目が止まり、どちらを選んでいいか、違いがわからず困ることも多いだろう。その区別は、軟骨入りスペアリブがのせてあるのがソーキそばで、柔らかい三枚肉がのせてあるのが沖縄そば。そして今回紹介する『日清ラ王 沖縄そば』は沖縄そば。

ノンフライ麺を使用しており、かやくはチャーシュー、紅生姜、申し訳程度のネギ。チャーシューと言われるといきなりラーメン感が増してしまう。後入れスープと紅生姜の小袋を残してかやくとチャーシューを投入、湯入れ時間は5分。

香りはかつお節と豚の一騎打ちのはずだが、若干豚フレーバーが優っているような。蒸らし時間を終えて、スープ投入前に箸で麺をほぐすというノンフライ麺のお約束をこなし、完全にほぐれたところでスープを投入すると、その予感は確実に。背脂チャッチャ系のような油膜がスープ表面にあるではないか。

気を取り直して紅生姜を入れて、とにかく食べてみる。麺はラ王ならではの生麺テイストの力強く太い麺。弾力感とツルツルの舌触り、ただ縮れは少ないという独特の麺を食べると、ラーメン的な美味しさが広がる。もちろん沖縄そばの麺製法も中華麺と同じなので、それは問題なし。気持ち的にはもう少し縮れというか角度が欲しい気もするが。

問題はスープ。これは豚の圧勝。かつお節感はあくまで脇役的立ち位置。下手すると隠し味。うーん、これは沖縄そばとしてはちょっと遺憾。チャーシューも甘辛度が強いのは気分なのだが、合わせて食べると豚が主役。正直かつお節を合わせた豚骨しょうゆラーメンという趣き。

その美味しさもわかるが、沖縄そばと言われたからには期待しているものは違う。豚とかつお節はガチンコであっていただきたいし、油膜はほどほどに抑えて欲しい。紅生姜が付いているのはうれしいが、それなら小袋でこーれぐーす(島とうがらしを泡盛で漬け込んだ沖縄の辛味調味料)も欲しい。

沖縄そばが大好きな人間としては、あまりにもラーメン方向に舵が切られすぎている印象だった。もちろんラーメンファンが沖縄そば気分で食べるというのがコンセプトなら、それはそれでありなのかもしれないが…。期待してしまっただけに残念だ。

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